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ペテロ前書
🔝
〘476㌻〙
第1章
1
イエス・キリストの
使徒
しと
ペテロ、
書
ふみ
をポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤ、ビテニヤに
散
ち
りて
宿
やど
れる
者
もの
、
2
即
すなは
ち
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
の
預
あらか
じめ
知
し
り
給
たま
ふところに
隨
したが
ひて、
御靈
みたま
の
潔󠄄
きよめ
により
柔順
じうじゅん
ならんため、イエス・キリストの
血
ち
の
灑
そゝぎ
を
受
う
けんために
選󠄄
えら
ばれたる
者
もの
に
贈
おく
る。
願
ねがは
くは
恩惠
めぐみ
と
平󠄃安
へいあん
と
汝
なんぢ
らに
增
ま
さんことを。
3
讃
ほ
むべきかな、
我
われ
らの
主
しゅ
イエス・キリストの
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
、その
大
おほい
なる
憐憫
あはれみ
に
隨
したが
ひ、イエス・キリストの
死人
しにん
の
中
うち
より
甦
よみが
へり
給
たま
へることに
由
よ
り、
我
われ
らを
新
あらた
に
生
うま
れしめて
生
い
ける
望󠄇
のぞみ
を
懷
いだ
かせ、
4
汝
なんぢ
らの
爲
ため
に
天
てん
に
蓄
たくは
へある
朽
く
ちず、
汚
けが
れず、
萎
しぼ
まざる
嗣業
しげふ
を
繼
つ
がしめ
給
たま
へり。
5
汝
なんぢ
らは
終󠄃
をはり
のときに
顯
あらは
れんとて
備
そなは
りたる
救
すくひ
を
得
え
んために、
信仰
しんかう
によりて
神
かみ
の
力
ちから
に
護
まも
らるるなり。
6
この
故
ゆゑ
に
汝
なんぢ
ら
今
いま
暫
しば
しの
程
ほど
さまざまの
試煉
こゝろみ
によりて
憂
うれ
へざるを
得
え
ずとも、なほ
大
おほい
に
喜
よろこ
べり。
7
汝
なんぢ
らの
信仰
しんかう
の
驗
ためし
は
壞
く
つる
金
きん
の
火
ひ
にためさるるよりも
貴
たふと
くして、イエス・キリストの
現
あらは
れ
給
たま
ふとき
譽
ほまれ
と
光榮
くわうえい
と
尊󠄅貴
たふとき
とを
得
う
べきなり。
8
汝
なんぢ
らイエスを
見
み
しことなけれど、
之
これ
を
愛
あい
し、
今
いま
見
み
ざれども、
之
これ
を
信
しん
じて、
言
い
ひがたく、かつ
光榮
くわうえい
ある
喜悅
よろこび
をもて
喜
よろこ
ぶ。
9
これ
信仰
しんかう
の
極
はて
、すなはち
靈魂
たましひ
の
救
すくひ
を
受
う
くるに
因
よ
る。
10
汝
なんぢ
らの
受
う
くべき
恩惠
めぐみ
を
預言
よげん
したる
預言者
よげんしゃ
たちは、この
救
すくひ
につきて
具󠄄
つぶさ
に
尋󠄃
たづ
ね
査
しら
べたり。
11
即
すなは
ち
彼
かれ
らは
己
おの
が
中
うち
に
在
いま
すキリストの
靈
れい
の、キリストの
受
う
くべき
苦難
くるしみ
および
其
そ
の
後
のち
の
榮光
えいくわう
を
預
あらか
じめ
證
あかし
して、
何時
いつ
のころ
如何
いか
なる
時
とき
を
示
しめ
し
給
たま
ひしかを
査
しら
べたり。
476㌻
12
彼
かれ
等
ら
はその
勤
つと
むるところ
己
おのれ
のためにあらず、
汝
なんぢ
らの
爲
ため
なることを
默示
もくし
によりて
知
し
れり。
即
すなは
ち
天
てん
より
遣󠄃
つかは
され
給
たま
へる
聖󠄄
せい
靈
れい
によりて
福音󠄃
ふくいん
を
宣
の
ぶる
者
もの
どもの、
汝
なんぢ
らに
傳
つた
へたる
所󠄃
ところ
にして、
御使
みつかひ
たちも
之
これ
を
懇
ねんご
ろに
視
み
んと
欲
ほっ
するなり。
13
この
故
ゆゑ
に、なんぢら
心
こゝろ
の
腰
こし
に
帶
おび
し、
愼
つゝし
みてイエス・キリストの
現
あらは
れ
給
たま
ふときに、
與
あた
へられんとする
恩惠
めぐみ
を
疑
うたが
はずして
望󠄇
のぞ
め。
14
從順
じゅうじゅん
なる
子
こ
等
ら
の
如
ごと
くして、
前󠄃
さき
の
無知
むち
なりし
時
とき
の
慾
よく
に
效
なら
はず、
15
汝
なんぢ
らを
召
め
し
給
たま
ひし
聖󠄄者
しゃうじゃ
に
效
なら
ひて、
自
みづか
ら
凡
すべ
ての
行狀
ぎゃうじゃう
に
潔󠄄
きよ
かれ。
16
錄
しる
して『われ
聖󠄄
せい
なれば、
汝
なんぢ
らも
聖󠄄
せい
なるべし』とあればなり。
17
また
偏󠄃
かたよ
ることなく
各人
おのおの
の
業
わざ
に
隨
したが
ひて
審
さば
きたまふ
者
もの
を
父󠄃
ちち
と
呼
よ
ばば、
畏
おそれ
をもて
世
よ
に
寓
やど
る
時
とき
を
過󠄃
すご
せ。
18
なんぢらが
先祖
せんぞ
等
たち
より
傳
つた
はりたる
虛
むな
しき
行狀
ぎゃうじゃう
より
贖
あがな
はれしは、
銀
ぎん
や
金
きん
のごとき
朽
く
つる
物
もの
に
由
よ
るにあらず、
〘347㌻〙
19
瑕
きず
なく
汚點
しみ
なき
羔羊
こひつじ
の
如
ごと
きキリストの
貴
たふと
き
血
ち
に
由
よ
ることを
知
し
ればなり。
20
彼
かれ
は
世
よ
の
創
はじめ
の
前󠄃
さき
より
預
あらか
じめ
知
し
られたまひしが、この
末
すゑ
の
世
よ
に
現
あらは
れ
給
たま
へり。
21
これは
彼
かれ
を
死人
しにん
の
中
うち
より
甦
よみが
へらせて
之
これ
に
榮光
えいくわう
を
與
あた
へ
給
たま
ひし
神
かみ
を、
彼
かれ
によりて
信
しん
ずる
汝
なんぢ
らの
爲
ため
なり、この
故
ゆゑ
に
汝
なんぢ
らの
信仰
しんかう
と
希望󠄇
のぞみ
とは
神
かみ
に
由
よ
れり。
22
なんぢら
眞理
しんり
に
從
したが
ふによりて
靈魂
たましひ
をきよめ、
僞
いつは
りなく
兄弟
きゃうだい
を
愛
あい
するに
至
いた
りたれば、
心
こゝろ
より
熱
あつ
く
相
あひ
愛
あい
せよ。
23
汝
なんぢ
らは
朽
く
つる
種
たね
に
由
よ
らで、
朽
く
つることなき
種
たね
、すなはち
神
かみ
の
活
い
ける
限
かぎ
りなく
保
たも
つ
言
ことば
に
由
よ
りて
新
あらた
に
生
うま
れたればなり。
24
『
人
ひと
はみな
草
くさ
のごとく、 その
光榮
くわうえい
はみな
草
くさ
の
花
はな
の
如
ごと
し、
草
くさ
は
枯
か
れ、
花
はな
は
落
お
つ。
25
されど
主
しゅ
の
御言
みことば
は
永遠󠄄
とこしへ
に
保
たも
つなり』
汝
なんぢ
らに
宣傅
のべつた
へたる
福音󠄃
ふくいん
の
言
ことば
は
即
すなは
ちこれなり。
477㌻
第2章
1
されば
凡
すべ
ての
惡意󠄃
あくい
、すべての
詭計
たばかり
・
僞善
ぎぜん
・
嫉妬
ねたみ
および
凡
すべ
ての
謗
そしり
を
棄
す
てて、
2
いま
生
うま
れし
嬰兒
みどりご
のごとく
靈
れい
の
眞
まこと
の
乳󠄃
ちち
を
慕
した
へ、
之
これ
により
育
そだ
ちて
救
すくひ
に
至
いた
らん
爲
ため
なり。
3
なんぢら
旣
すで
に
主
しゅ
の
仁慈
なさけ
あることを
味
あぢは
ひ
知
し
りたらんには、
然
しか
すべきなり。
4
主
しゅ
は
人
ひと
に
棄
す
てられ
給
たま
へど、
神
かみ
に
選󠄄
えら
ばれたる
貴
たふと
き
活
い
ける
石
いし
なり。
5
なんぢら
彼
かれ
にきたり、
活
い
ける
石
いし
のごとく
建
たて
られて
靈
れい
の
家
いへ
となれ。これ
潔󠄄
きよ
き
祭司
さいし
となり、イエス・キリストに
由
よ
りて
神
かみ
に
喜
よろこ
ばるる
靈
れい
の
犧牲
いけにへ
を
献
さゝ
げん
爲
ため
なり。
6
聖󠄄書
せいしょ
に 『
視
み
よ、
選󠄄
えら
ばれたる
貴
たふと
き
隅
すみ
の
首石
おやいし
を
我
われ
シオンに
置
お
く。
之
これ
に
依
よ
り
賴
たの
む
者
もの
は
辱
はづか
しめられじ』とあるなり。
7
されば
信
しん
ずる
汝
なんぢ
らには、
尊󠄅
たふと
きなれど、
信
しん
ぜぬ
者
もの
には『
造󠄃家者
いへつくり
らの
棄
す
てたる
石
いし
は、
隅
すみ
の
首石
おやいし
となれる』にて、
8
『つまづく
石
いし
、
礙
さまた
ぐる
岩
いは
』となるなり。
彼
かれ
らは
服󠄃
したが
はぬに
因
よ
りて
御言
みことば
に
躓
つまづ
く。これは
斯
か
く
定
さだ
められたるなり。
9
されど
汝
なんぢ
らは
選󠄄
えら
ばれたる
族
やから
、
王
わう
なる
祭司
さいし
・
潔󠄄
きよ
き
國人
くにびと
・
神
かみ
に
屬
つ
ける
民
たみ
なり、これ
汝
なんぢ
らを
暗󠄃黑
くらき
より
召
め
して、
己
おのれ
の
妙
たへ
なる
光
ひかり
に
入
い
れ
給
たま
ひし
者
もの
の
譽
ほまれ
を
顯
あらは
させん
爲
ため
なり。
10
なんぢら
前󠄃
さき
には
民
たみ
にあらざりしが、
今
いま
は
神
かみ
の
民
たみ
なり。
前󠄃
さき
には
憐憫
あはれみ
を
蒙
かうむ
らざりしが、
今
いま
は
憐憫
あはれみ
を
蒙
かうむ
れり。
11
愛
あい
する
者
もの
よ、われ
汝
なんぢ
らに
勸
すゝ
む。
汝
なんぢ
らは
旅人
たびびと
また
宿
やど
れる
者
もの
なれば、
靈魂
たましひ
に
逆󠄃
さから
ひて
戰
たゝか
ふ
肉
にく
の
慾
よく
を
避󠄃
さ
け、
〘348㌻〙
12
異邦人
いはうじん
の
中
うち
にありて
行狀
ぎゃうじゃう
を
美
うるは
しく
爲
せ
よ、これ
汝
なんぢ
らを
謗
そし
りて
惡
あく
をおこなふ
者
もの
と
云
い
へる
人々
ひとびと
の、
汝
なんぢ
らの
善
よ
き
行爲
おこなひ
を
見
み
て、
反
かへ
つて
眷顧󠄃
かへりみ
の
日
ひ
に
神
かみ
を
崇
あが
めん
爲
ため
なり。
13
なんぢら
主
しゅ
のために
凡
すべ
て
人
ひと
の
立
た
てたる
制度
せいど
に
服󠄃
したが
へ。
或
あるひ
は
上
かみ
に
在
あ
る
王
わう
、
14
或
あるひ
は
惡
あく
をおこなふ
者
もの
を
罰
ばっ
し、
善
ぜん
をおこなふ
者
もの
を
賞
しゃう
せんために
王
わう
より
遣󠄃
つかは
されたる
司
つかさ
に
服󠄃
したが
へ。
478㌻
15
善
ぜん
を
行
おこな
ひて
愚
おろか
なる
人
ひと
の
無知
むち
の
言
ことば
を
止
とゞ
むるは、
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
なればなり。
16
なんぢら
自由
じいう
なる
者
もの
のごとく
爲
す
とも、その
自由
じいう
をもて
惡
あく
の
覆
おほひ
となさず、
神
かみ
の
僕
しもべ
のごとく
爲
せ
よ。
17
なんぢら
凡
すべ
ての
人
ひと
を
敬
うやま
ひ、
兄弟
きゃうだい
を
愛
あい
し、
神
かみ
を
畏
おそ
れ、
王
わう
を
尊󠄅
たふと
べ。
18
僕
しもべ
たる
者
もの
よ、
大
おほい
なる
畏
おそれ
をもて
主人
しゅじん
に
服󠄃
したが
へ、
啻
たゞ
に
善
よ
きもの、
寛容
くわんよう
なる
者
もの
にのみならず、
情󠄃
なさけ
なき
者
もの
にも
服󠄃
したが
へ、
19
人
ひと
もし
受
う
くべからざる
苦難
くるしみ
を
受
う
け、
神
かみ
を
認󠄃
みと
むるに
因
よ
りて
憂
うれひ
に
堪
た
ふる
事
こと
をせば、これ
譽
ほ
むべきなり。
20
もし
罪
つみ
を
犯
をか
して
撻
う
たるるとき、
之
これ
を
忍󠄄
しの
ぶとも
何
なに
の
功
こう
かある。
然
さ
れど
若
も
し
善
ぜん
を
行
おこな
ひてなほ
苦
くる
しめらるる
時
とき
これを
忍󠄄
しの
ばば、これ
神
かみ
の
譽
ほ
めたまふ
所󠄃
ところ
なり。
21
汝
なんぢ
らは
之
これ
がために
召
め
されたり、キリストも
汝
なんぢ
らの
爲
ため
に
苦難
くるしみ
をうけ、
汝
なんぢ
らを
其
そ
の
足跡
あしあと
に
隨
したが
はしめんとて
模範
もはん
を
遺󠄃
のこ
し
給
たま
へるなり。
22
彼
かれ
は
罪
つみ
を
犯
をか
さず、その
口
くち
に
虛僞
いつはり
なく、
23
また
罵
のゝし
られて
罵
のゝし
らず、
苦
くる
しめられて
脅
おびや
かさず、
正
たゞ
しく
審
さば
きたまふ
者
もの
に
己
おのれ
を
委
ゆだ
ね、
24
木
き
の
上
うへ
に
懸
かゝ
りて、みづから
我
われ
らの
罪
つみ
を
己
おの
が
身
み
に
負󠄅
お
ひ
給
たま
へり。これ
我
われ
らが
罪
つみ
に
就
つ
きて
死
し
に、
義
ぎ
に
就
つ
きて
生
い
きん
爲
ため
なり。
汝
なんぢ
らは
彼
かれ
の
傷
きず
によりて
癒󠄄
いや
されたり。
25
なんぢら
前󠄃
さき
には
羊
ひつじ
のごとく
迷󠄃
まよ
ひたりしが、
今
いま
は
汝
なんぢ
らの
靈魂
たましひ
の
牧者
ぼくしゃ
たる
監督
かんとく
に
歸
かへ
りたり。
第3章
1
-2
妻
つま
たる
者
もの
よ、
汝
なんぢ
らもその
夫
をっと
に
服󠄃
したが
へ。たとひ
御言
みことば
に
遵󠄅
したが
はぬ
夫
をっと
ありとも、
汝
なんぢ
らの
潔󠄄
きよ
く、かつ
恭敬
うやうや
しき
行狀
ぎゃうじゃう
を
見
み
て、
言
ことば
によらず
妻
つま
の
行狀
ぎゃうじゃう
によりて
救
すくひ
に
入
い
らん
爲
ため
なり。
3
汝
なんぢ
らは
髮
かみ
を
辮
あ
み、
金
きん
をかけ、
衣服󠄃
ころも
を
裝
よそほ
ふごとき
表面
うはべ
のものを
飾󠄃
かざり
とせず、
4
心
こゝろ
のうちの
隱
かく
れたる
人
ひと
、すなはち
柔和
にうわ
、
恬靜
しづやか
なる
靈
れい
の
朽
く
ちぬ
物
もの
を
飾󠄃
かざり
とすべし、
是
これ
こそは
神
かみ
の
前󠄃
まへ
にて
價
あたひ
貴
たふと
きものなれ。
479㌻
5
むかし
神
かみ
に
望󠄇
のぞみ
を
置
お
きたる
潔󠄄
きよ
き
女
をんな
等
たち
も、
斯
かく
の
如
ごと
くその
夫
をっと
に
服󠄃
したが
ひて
己
おのれ
を
飾󠄃
かざ
りたり。
6
即
すなは
ちサラがアブラハムを
主
しゅ
と
呼
よ
びて
之
これ
に
服󠄃
したが
ひし
如
ごと
し。
汝
なんぢ
らも
善
ぜん
を
行
おこな
ひて
何事
なにごと
にも
戰
おのゝ
き
懼
おそ
れずばサラの
子
こ
たるなり。
7
夫
をっと
たる
者
もの
よ、
汝
なんぢ
らその
妻
つま
を
己
おのれ
より
弱󠄃
よわ
き
器
うつは
の
如
ごと
くし、
知識
ちしき
にしたがひて
偕
とも
に
棲
す
み、
生命
いのち
の
恩惠
めぐみ
を
共
とも
に
嗣
つ
ぐ
者
もの
として
之
これ
を
貴
たふと
べ。これ
汝
なんぢ
らの
祈
いのり
に
妨害󠄅
さまたげ
なからん
爲
ため
なり。
〘349㌻〙
8
終󠄃
をはり
に
言
い
ふ、
汝
なんぢ
らみな
心
こゝろ
を
同
おな
じうし
互
たがひ
に
思
おも
ひ
遣󠄃
や
り、
兄弟
きゃうだい
を
愛
あい
し、
憐
あはれ
み、
謙󠄃遜
へりくだ
り、
9
惡
あく
をもて
惡
あく
に、
謗
そしり
をもて
謗
そしり
に
報
むく
ゆることなく、
反
かへ
つて
之
これ
を
祝福
しくふく
せよ。
汝
なんぢ
らの
召
め
されたるは
祝福
しくふく
を
嗣
つ
がん
爲
ため
なればなり。
10
『
生命
いのち
を
愛
あい
し、
善
よ
き
日
ひ
を
送󠄃
おく
らんとする
者
もの
は、
舌
した
を
抑
おさ
へて
惡
あく
を
避󠄃
さ
け、
口唇
くちびる
を
抑
おさ
へて
虛僞
いつはり
を
語
かた
らず、
11
惡
あく
より
遠󠄄
とほ
ざかりて
善
ぜん
をおこなひ、
平󠄃和
へいわ
を
求
もと
めて
之
これ
を
追󠄃
お
ふべし。
12
それ
主
しゅ
の
目
め
は
義人
ぎじん
の
上
うへ
に
止
とゞ
まり、 その
耳
みみ
は
彼
かれ
らの
祈
いのり
に
傾
かたむ
く。 されど
主
しゅ
の
御顏
みかほ
は
惡
あく
をおこなふ
者
もの
に
向
むか
ふ』
13
汝
なんぢ
等
ら
もし
善
ぜん
に
熱心
ねっしん
ならば、
誰
たれ
か
汝
なんぢ
らを
害󠄅
そこな
はん。
14
たとひ
義
ぎ
のために
苦
くる
しめらるる
事
こと
ありとも、
汝
なんぢ
ら
幸福
さいはひ
なり『
彼
かれ
等
ら
の
威嚇
おどし
を
懼
おそ
るな、また
心
こゝろ
を
騷
さわ
がすな』
15
心
こゝろ
の
中
うち
にキリストを
主
しゅ
と
崇
あが
めよ、また
汝
なんぢ
らの
衷
うち
にある
望󠄇
のぞみ
の
理由
りいう
を
問
と
ふ
人
ひと
には、
柔和
にうわ
と
畏懼
おそれ
とをもて
常
つね
に
辯明
べんめい
すべき
準備
そなへ
をなし、
16
かつ
善
よ
き
良心
りゃうしん
を
保
たも
て。これ
汝
なんぢ
等
ら
のキリストに
在
あ
りて
行
おこな
ふ
善
よ
き
行狀
ぎゃうじゃう
を
罵
のゝし
る
者
もの
の、その
謗
そし
ることに
就
つ
きて
自
みづか
ら
愧
は
ぢん
爲
ため
なり。
17
もし
善
ぜん
をおこなひて
苦難
くるしみ
を
受
う
くること
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
ならば、
惡
あく
を
行
おこな
ひて
苦難
くるしみ
を
受
う
くるに
勝󠄃
まさ
るなり。
18
キリストも
汝
なんぢ
らを
神
かみ
に
近󠄃
ちか
づかせんとて、
正
たゞ
しきもの
正
たゞ
しからぬ
者
もの
に
代
かは
りて、
一
ひと
たび
罪
つみ
のために《[*]》
死
し
に
給
たま
へり、
彼
かれ
は
肉體
にくたい
にて
殺
ころ
され、
靈
れい
にて
生
い
かされ
給
たま
へるなり。[*異本「苦難を受け給へり」とあり。]
480㌻
19
また
靈
れい
にて
徃
ゆ
き、
獄
ひとや
にある
靈
れい
に
宣傅
のべつた
へたまへり。
20
これらの
靈
れい
は
昔
むかし
ノアの
時代
じだい
に
方舟
はこぶね
の
備
そな
へらるるあひだ、
寛容
くわんよう
をもて
神
かみ
の
待
ま
ち
給
たま
へるとき、
服󠄃
したが
はざりし
者
もの
どもなり、その
方舟
はこぶね
に
入
い
り
水
みづ
を
經
へ
て
救
すく
はれし
者
もの
は、
僅
わづか
にしてただ
八人
はちにん
なりき。
21
その
水
みづ
に
象
かたど
れるバプテスマは
肉
にく
の
汚穢
けがれ
を
除
のぞ
くにあらず、
善
よ
き
良心
りゃうしん
の
神
かみ
に
對
たい
する
要󠄃求
もとめ
にして、イエス・キリストの
復活
よみがへり
によりて
今
いま
なんぢらを
救
すく
ふ。
22
彼
かれ
は
天
てん
に
昇
のぼ
りて
神
かみ
の
右
みぎ
に
在
いま
す。
御使
みつかひ
たち
及
およ
びもろもろの
權威
けんゐ
と
能力
ちから
とは
彼
かれ
に
服󠄃
したが
ふなり。
第4章
1
キリスト
肉體
にくたい
にて
苦難
くるしみ
を
受
う
け
給
たま
ひたれば、
汝
なんぢ
らも
亦
また
おなじ
心
こゝろ
をもて
自
みづか
ら
鎧
よろ
へ。――
肉體
にくたい
にて
苦難
くるしみ
を
受
う
くる
者
もの
は
罪
つみ
を
止
や
むるなり――
2
これ
今
いま
よりのち、
人
ひと
の
慾
よく
に
從
したが
はず、
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
に
從
したが
ひて
肉體
にくたい
に
寓
やど
れる
殘
のこり
の
時
とき
を
過󠄃
すご
さん
爲
ため
なり。
〘350㌻〙
3
なんぢら
過󠄃
す
ぎにし
日
ひ
は、
異邦人
いはうじん
の
好
この
む
所󠄃
ところ
をおこなひ、
好色
かうしょく
・
慾
よく
情󠄃
じゃう
・
酩酊
めいてい
・
宴樂
えんらく
・
暴飮
ばういん
・
律法
おきて
にかなはぬ
偶像
ぐうざう
崇拜
すうはい
に
步
あゆ
みて、もはや
足
た
れり。
4
彼
かれ
らは
汝
なんぢ
らの
己
おのれ
とともに
放蕩
はうたう
の
極
きはみ
に
走
はし
らぬを
怪
あや
しみて
譏
そし
るなり。
5
彼
かれ
らは
生
い
ける
者
もの
と
死
し
にたる
者
もの
とを
審
さば
く
準備
そなへ
をなし
給
たま
へる
者
もの
に
己
おのれ
のことを
陳
の
ぶべし。
6
福音󠄃
ふくいん
の、
死
し
にたる
者
もの
に
宣傅
のべつた
へられしは、
彼
かれ
らが
肉體
にくたい
にて
人
ひと
のごとく
審
さば
かれ、
靈
れい
にて
神
かみ
のごとく
生
い
きん
爲
ため
なり。
7
萬
よろづ
の
物
もの
のをはり
近󠄃
ちか
づけり、
然
さ
れば
汝
なんぢ
ら
心
こゝろ
を
慥
たしか
にし、
愼
つゝし
みて
祈
いのり
せよ。
8
何事
なにごと
よりも
先
ま
づ
互
たがひ
に
熱
あつ
く
相
あひ
愛
あい
せよ。
愛
あい
は
多
おほ
くの
罪
つみ
を
掩
おほ
へばなり。
9
また
吝
をし
むことなく
互
たがひ
に
懇
ねんご
ろに
待
もてな
せ。
10
神
かみ
のさまざまの
恩惠
めぐみ
を
掌
つかさ
どる
善
よ
き
家
いへ
司
つかさ
のごとく、
各人
おのおの
その
受
う
けし
賜物
たまもの
をもて
互
たがひ
に
事
つか
へよ。
481㌻
11
もし
語
かた
るならば、
神
かみ
の
言
ことば
をかたる
者
もの
のごとく
語
かた
り、
事
つか
ふるならば、
神
かみ
の
與
あた
へたまふ
能力
ちから
を
受
う
けたる
者
もの
のごとく
事
つか
へよ。
是
これ
イエス・キリストによりて
事々
ことごと
に
神
かみ
の
崇
あが
められ
給
たま
はん
爲
ため
なり。
榮光
えいくわう
と
權力
ちから
とは
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
彼
かれ
に
歸
き
するなり、アァメン。
12
愛
あい
する
者
もの
よ、
汝
なんぢ
らを
試
こゝろ
みんとて
來
きた
れる
火
ひ
のごとき
試煉
こゝろみ
を
異
こと
なる
事
こと
として
怪
あや
しまず、
13
反
かへ
つてキリストの
苦難
くるしみ
に
與
あづか
れば、
與
あづか
るほど
喜
よろこ
べ、なんぢら
彼
かれ
の
榮光
えいくわう
の
顯
あらは
れん
時
とき
にも
喜
よろこ
び
樂
たの
しまん
爲
ため
なり。
14
もし
汝
なんぢ
等
ら
キリストの
名
な
のために
謗
そし
られなば
幸福
さいはひ
なり。
榮光
えいくわう
の
御靈
みたま
、すなはち
神
かみ
の
御靈
みたま
なんぢらの
上
うへ
に
留
とゞ
まり
給
たま
へばなり。
15
汝
なんぢ
等
ら
のうち
誰
たれ
にても
或
あるひ
は
殺人
ひとごろし
、あるひは
盜人
ぬすびと
、あるひは
惡
あく
を
行
おこな
ふ
者
もの
、あるひは
妄
みだり
に
他人
たにん
の
事
こと
に
干渉
かんせふ
する
者
もの
となりて
苦難
くるしみ
に
遭󠄃
あ
ふな。
16
されど
若
も
しキリステアンたるをもて
苦難
くるしみ
を
受
う
けなば、
之
これ
を
恥
は
づることなく、
反
かへ
つて
此
こ
の
名
な
によりて
神
かみ
を
崇
あが
めよ。
17
旣
すで
に
時
とき
いたれり、
審判󠄄
さばき
は
神
かみ
の
家
いへ
より
始
はじま
るべし。まづ
我等
われら
より
始
はじ
まるとせば、
神
かみ
の
福音󠄃
ふくいん
に
從
したが
はざる
者
もの
のその
結局
はて
は
如何
いかに
ぞや。
18
義人
ぎじん
もし
辛
から
うじて
救
すく
はるるならば、
不
ふ
敬虔
けいけん
なるもの、
罪
つみ
ある
者
もの
は
何處
いづこ
にか
立
た
たん。
19
されば
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
に
從
したが
ひて
苦難
くるしみ
を
受
う
くる
者
もの
は、
善
ぜん
を
行
おこな
ひて
己
おの
が
靈魂
たましひ
を
眞實
まこと
なる
造󠄃物主
つくりぬし
にゆだね
奉
まつ
るべし。
第5章
1
われ
汝
なんぢ
らの
中
うち
なる
長老
ちゃうらう
たちに
勸
すゝ
む(
我
われ
は
汝
なんぢ
らと
同
おな
じく
長老
ちゃうらう
たる
者
もの
、またキリストの
苦難
くるしみ
の
證人
しょうにん
、
顯
あらは
れんとする
榮光
えいくわう
に
與
あづか
る
者
もの
なり)
2
汝
なんぢ
らの
中
うち
にある
神
かみ
の
群羊
むれ
を
牧
か
へ。
止
や
むを
得
え
ずして
爲
な
さず、
神
かみ
に
從
したが
ひて
心
こゝろ
より
爲
な
し、
利
り
を
貪
むさぼ
るために
爲
な
さず、
悅
よろこ
びてなし、
3
委
ゆだ
ねられたる
者
もの
の
主
しゅ
とならず、
群羊
むれ
の
模範
もはん
となれ。
〘351㌻〙
482㌻
4
さらば
大牧者
だいぼくしゃ
の
現
あらは
れ
給
たま
ふとき、
萎
しぼ
まざる
光榮
くわうえい
の
冠冕
かんむり
を
受
う
けん。
5
若
わか
き
者
もの
よ、なんぢら
長老
ちゃうらう
たちに
服󠄃
したが
へ、かつ
皆
みな
たがひに
謙󠄃遜
けんそん
をまとへ『
神
かみ
は
高
たか
ぶる
者
もの
を
拒
ふせ
ぎ、
謙󠄃
へりく
だる
者
もの
に
恩惠
めぐみ
を
與
あた
へ
給
たま
ふ』
6
この
故
ゆゑ
に
神
かみ
の
能力
ちから
ある
御手
みて
の
下
もと
に
己
おのれ
を
卑
ひく
うせよ、
然
さ
らば
時
とき
に
及
およ
びて
神
かみ
なんぢらを
高
たか
うし
給
たま
はん。
7
又󠄂
また
もろもろの
心勞
こゝろづかひ
を
神
かみ
に
委
ゆだ
ねよ、
神
かみ
なんぢらの
爲
ため
に
慮
おもん
ぱかり
給
たま
へばなり。
8
愼
つゝし
みて
目
め
を
覺
さま
しをれ、
汝
なんぢ
らの
仇
あた
なる
惡魔󠄃
あくま
、ほゆる
獅子
しし
のごとく
歷迴
へめぐ
りて
呑
の
むべきものを
尋󠄃
たづ
ぬ。
9
なんぢら
信仰
しんかう
を
堅
かた
うして
彼
かれ
を
禦
ふせ
げ、なんぢらは
世
よ
にある
兄弟
きゃうだい
たちの
同
おな
じ
苦難
くるしみ
に
遭󠄃
あ
ふを
知
し
ればなり。
10
もろもろの
恩惠
めぐみ
の
神
かみ
、すなはち
永遠󠄄
とこしへ
の
榮光
えいくわう
を
受
う
けしめんとて、キリストによりて
汝
なんぢ
らを
召
め
し
給
たま
へる
神
かみ
は、
汝
なんぢ
らが
暫
しばら
く
苦難
くるしみ
をうくる
後
のち
、なんぢらを
全󠄃
まった
うし、
堅
かた
うし、
强
つよ
くして、その
基
もとゐ
を
定
さだ
め
給
たま
はん。
11
願
ねがは
くは
權力
ちから
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
神
かみ
にあれ、アァメン。
12
われ
忠實
ちゅうじつ
なる
兄弟
きゃうだい
なりと
思
おも
ふシルワノに
由
よ
りて
簡單
かんたん
に
書
かき
贈
おく
りて
汝
なんぢ
らに
勸
すゝ
め、かつ
此
これ
は
神
かみ
の
眞
まこと
の
恩惠
めぐみ
なることを
證
あかし
す、
汝
なんぢ
等
ら
この
恩惠
めぐみ
に
立
た
て。
13
汝
なんぢ
らと
共
とも
に
選󠄄
えら
ばれてバビロンに
在
あ
る
敎會
けうくわい
、なんぢらに
安否
あんぴ
を
問
と
ふ、わが
子
こ
マルコも
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。
14
なんぢら
愛
あい
の
接吻
くちつけ
をもて
互
たがひ
に
安否
あんぴ
を
問
と
へ。
願
ねが
はくはキリストに
在
あ
る
汝
なんぢ
ら
衆
すべて
に、
平󠄃安
へいあん
あらんことを。
〘352㌻〙
483㌻